
日程:8月31日〜9月2日、開催地:ミシガン州デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル市街地特設コース、距離:2.096マイル(3.372km)

第16戦はアメリカ自動車産業の中心地であるデトロイトの市街地、ダウンタウンのすぐ北、デトロイト川に浮かぶベルアイルの公園を使ったサーキットに作られたコースで開催された。松浦孝亮は、コンクリートウォールに囲まれ、一瞬のミスも許されないストリートコースでのレースを得意としており、これまでも良好なパフォーマンスを見せている。しかし、デトロイトではマシントラブルに苦しんでいた。
予選前に行われる3回のプラクティスセッション。ストリートコースでは事前のテストが出来ないためこのプラクティスセッションでマシンを仕上げる必要がある。1回目のプラクティスでは10番手のタイム1分15秒3675、短いインターバルの後に行われた2回目のプラクティスでは、1分16秒5951とタイムを下げた。この際、マシンにトラブルがあり、ショックアブソーバーを固定するボルトの1本が抜け落ちており、4輪にかかるバランスウェイトが狂った状態で走り続けていたのだ。

バランスが崩れたマシンで松浦孝亮は違和感を強く感じながらも、路面がとてもバンピーなストリートコースなだけに、原因がマシンの不具合にあるという判断を下しきれなかった。トラブルが発覚したのは2回目のプラクティスの後で、それまでのデータがふいになってしまった。
予選日のプラクティス3回目には、前日に十分なデータ収集を行えず、短時間でセッティングを行わなければならなかった。ライバルがタイムを縮めていく中、松浦孝亮も1分14秒8754までタイムを縮めたが、15番手に留まった。予選はウォームアップ1周、アタック1周の一発勝負で行われ、1分15秒5998の14番手となった。
コースはコンクリートウォールに囲まれてオーバーテイクは非常に難しい。相手がミスを犯せばチャンスは生まれるが、誰もがミスを犯しやすいとも言える。14番手スタートから上位を目指すには、トップグループと異なる作戦を採用して、アドバンテージを手に入れるしかない。

今回のレースは全長2.096マイル(3.372km)のコースを90周して争われる。満タンで走ることが出来る周回数は約25ラップとみられており、ゴールまでに必要なピットストップは3回となる。しかしストリートファイトでフルコースコーションが出される可能性も高く、2回で走りきれる可能性もある。ピットストップを行うタイミングをどう生かすかが勝負の鍵となる。
スーパーアグリ・パンサー・レーシングでは、満タン状態でレースをスタートし、展開を見て最初のピットインを行う作戦を採った。14番手スタートの松浦孝亮は、スタート後も14番手をキープするものの、12番手のAJ.フォイト4世のペースが上がらす、上位との差が広がっていった。1回目のピットストップは24周走りきったところで行われたが、給油を終えた2周後には周回遅れとなってしまった。ここからは全力で走りながらも、レース展開を利用してトップと同一周回に戻るチャンスをうかがわなければならなかった。
レース中盤からはアクシデントが多発し、フルコースコーションが重ねて出される展開となった。このうちの1つを利用して32周目に2回目のピットイン、しかし次のフルコースコーションでもピットインしない作戦を採った上位チームがいたために、松浦孝亮はトップと同一周回に復帰することは出来なかった。
90周で行われる予定のレースは6回のフルコースコーションのため、スタートから2時間10分経過した時点で新しい周回に入らないというIRLインディーカーシリーズのルールが採られた。松浦孝亮は次々とリタイヤしていくマシンを横目に68周目には9番手まで浮上、最終ラップとなった89周目に7回目のフルコースコーションとなる多重アクシデントが発生し、松浦孝亮は5位まで一気に順位を上げてフィニッシュとなった。
松浦孝亮は「今回のマシンは今までロードレースをしてきた中で一番悲惨な状態で、かなり厳しいレースを戦うことになりました。クルマがすごくピーキーで、全ラップを100パーセントのパフォーマンスで走るのは本当に難しかった。オーバーテイクが容易にできるコースでもないし、今日はアクシデントも頻発するだろうと考えていたので、とにかく最後まで走り切る戦いをしようとスタート前から決めていました。結果的に最後のアクシデントのおかげで5位フィニッシュ。こういう形で得た5位は満足できるものではないですが、5位は5位として素直に喜びたいですね。」と語った。